フランスとフランス語あれこれ(英語もちょっぴり)

フランス語、フランスの文化、ニュースなど、また日本での旅行の記録、フランスなどに在住のフランス人メル友からの便りなどを紹介していきます。 今後、フランス語の細かい説明などの記事を増やしていく予定

カテゴリ: Expo au Japon

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先日、汐留パナソニック美術館で開催中の
マチスとルオー展に行ってきました

マチス大好きのわたし
日本ではなかなか見られず、友人と行きました
ま、良いのですが、事実は ルオー展 プラス少しマチス という感じ
ルオーも好きでしたが、マチスに比べると今はそうでもなく

昔から、日本人はルオーのファンが多かったらしく
パナソニックにはコレクションがあるようです(別室あり)

写真撮影は出来ず、ポスターを撮るところも限定されていました
そこまでする必要あるのかしら??
(トップがそのポスター)


さて、ヨウジさんの展示も同じ日に友人と行く予定でしたが
なぜか間違えて前日に、(友人はお仕事で)もう出かけてしまったので
1人でいきました・・・

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最初の部屋は照明が低く、ヨウジさんの絵画と、
朝倉さん(女子美の学生さん、ヨウジさんは女子美の客員教授らしいです)と
合作のアクリル板に描かれた人体が何点がありました

何度も重ねられたところもあるようですが
こちら側の白い感じの線はヨウジさんの筆になるもの

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大きな部屋のひろびろとした展示
壁の絵は、だいたいが朝倉さん
マネキンも彼女の作で、ヨウジの2016-17の
コレクションの服をきせています


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マネキン、縮れた長い髪で、デザイナー自体を意識しています
右、奥の、女性が撮影しようとしているのは
ヨウジさんのデザイン原画です(数枚展示されていました)





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ついたてとベッド
これは息子さんがアメリカから帰った時に
広い部屋に仕切りを作るために作られたものとか
全体に説明はほとんどなく、日曜美術館でたまたま見ましたので
その説明です)

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ヨウジさん作の、桜の屏風です
やはり日本人だなー



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非常口、に付け加えた、遊び心いっぱいの
ヨウジさん出口!


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こちらはもう一つの部屋(細長い通路のような)
おもに朝倉さん

線画はヨウジさんのものもありBGM的に面白い音楽が流れていますが
これもヨウジさん編集のものとか



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窓にもペイントされています(合作))
この日はとても良いお天気で
ステンドグラスのように美しい

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日差したっぷり  気持ちよい



最後にあった絵
ヨウジさんが会うことのないまま
戦死されたお父様の肖像とか

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朝倉さんの絵も一枚載せておきましょう
あかるい、ふわっとする感じの絵です


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写真OKなので(フラッシュなければ)撮りまくりました
でも、少しぶれてますかね
(ところで、paint がなくなってしまったので大きな画像ばかりになっています。そのため
マチスのほうは1枚だけに。これからどうしよう・・・
それから、ご存じない方、わたしヨウジさんのファンです。以前は主にセールで服をかっていましたが、いまはちょっと無理・・・  je suis fauchée )

どちらも開催中(ヨウジさんは3月12日まで、ルオーは4月もあります)
ふらっと立ち寄ってみたら良いかも、です

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久しぶりに美術展に友人と行ってきました

丸の内の三菱一号館美術館で、5月24日までです

きゅうきょ、どれを見に行くか、ということになり
わたしの好きな、ボナール Pierre Bonnard の入っている
この展示に

入口には、ルノワールの少女像と

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ボナールの 「革命記念日のパリ、パルマ街(1890年)

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中から、お庭、ブリック・スクエア、というのかな
陽射しがまぶしい

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展示作品は、大作、とても有名、というわけでもありませんが
小さ目で気分の和むかんじの絵が多い
コレクターが女性というせいもあるのでしょう

部屋に飾ったらうれしいような(それは絶対無理! ですが)
ブーダン、マネ、モネ、ドガ、などの作品

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セザンヌのリンゴのある静物

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ルノアール、「アンリオ夫人」
見覚えのある顔だと思ったら
この人を描いたものは16枚あるそう

作品は、カタログをもう買わないので
パンフレットにも少なく、説明にちょっと困るのですが

ボナールに限定してみると
以前の展覧会(パリを含む)や、カタログで見たものとの
テーマの共通性がみとめられました

この次の画像は、展示されているものです

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これはネット上から拝借
フランス人は戸外で食事をするのが好きですが、ましてや
ボナールが後半生で居をかまえた南仏の、ル・カネの「ボスケ」
と名付けられた家は、そのまま絵の舞台となっています


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以前見た、この絵を思い出しました。
まあ、テーブルクロスがおなじです。
木も似ています
こちらは巨大な絵で、しかも大変横長
ボナールはキャンバスを枠に張らずに、壁にピンで留めて
描いていき、適当なところで終わったそうです
ですので変形の絵がかなりあります

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これもそうですね

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これと同じ、と思われる花瓶の別の花の作品もありました


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お昼はとなりのロブションのカフェで
クレープをいただきました
そのあと、あれこれ話して
くつろぐひとときを感謝

他の作品に関しては
画像を取り込めなくなっているので
ワシントン・・・のサイトのリンクを貼りますか


1番目   Two dogs in a deserted street
2             The cab horse
4             Table set in a garden

画像をクリックすると大きくなります

「ミモザのある階段」の絵は
ポーラ美術館にあるものが同じシリーズのようです
展示されているものは、階段が少なくて、ミモザがもっと大きかったように思う


ミモザの絵は特別な感じがします
晩年に Atelier au mimosa
という傑作があり(ポンピドーセンター所蔵)
ボナールさんのアトリエの窓からミモザの黄色い花が見え
室内が赤くそまって、隅に、もういない妻でモデルのマルトの姿が
ぼんやり見えます


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マニャックな話になってきましたが
ボナールを偏愛している私
いつからかな?MOMAに行った時には、マチスを必死に探していたので
多分、油絵を習い始めてからかと思います 14,5年かな
色彩と形が実にうまく考えられている・・・
(この絵は、黄色と赤のハーモニーとも考えられますが
それが、ミモザと室内の光(壁)として現実のものを指し、まったくの抽象でなく
白は、窓枠や手すりへの光の反射、椅子、遠くの家の壁など、としての役割も持っています)


いろいろ想像もして楽しい一日でした

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新国立美術館(六本木)で開催中の「オルセー展」先週の木曜日に行ってきました。
混雑が予想されるので、前売りを買い、10時半ごろ着きました。
入り口は人があまりいませんでしたが、中はかなり混雑・・・。
 
でも、列のあとについていれば、絵のそばで見ることができます。
しかし、少し離れて見るのは人垣が邪魔になることもありました。
 
オルセーが印象派以後の階を改装中ということで世界を巡回している展覧会。日本にはあまり来ないような絵もあります。また、オルセーに行ってもすべて展示されているわけではありませんので、今回スーラの習作とか、ロートレックの見たことのない絵など来ています。
 
外部はフラッシュなしなら撮影できます。
 
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ポスター。セザンヌですね。右のルーシー・リー展もその前の週に夫と行きました。これも良かったのですが、アップがなかなかできません・・・。
 
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パンフです。ゴーギャンとアンリ・ルソー。どちらもオルセーで常設です。
 
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モネもたくさんありました。今回気になったのはこれ。少女のドレスに当たる日差しがまぶしい。池にうつる影も繊細です。
 
今回はポスト印象主義と題され、印象派以後の画家が多く紹介されています。
ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャンなどはいわゆる印象派とは考え方も異なっています。
一番の印象派はやはりモネでしょう。光による外界の移り変わりを一生、ルーアンの教会のファサード、積みわら、そして良く知られる睡蓮などによって追求した人です。
 
 
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これに対して、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなどの画家はそれぞれ色彩、あるいはより強く日本趣味に影響されて、画面の構成の変化、平面化の方向へと進んでいきます。
 
わたしの偏愛する画家、ピエール・ボナール(1867-1947)もその一人。上の右の女性を描いたものがそうですが、ブラウスが解説にもあるように、まるでただの布がそこにおかれたかのように平面に描かれています。
 
(ボナールについてはパリに4年前に行ったときのことをこのブログの最初のほうに書きましたので興味ある方はごらん下さいね)
 
この展覧会のサイトはまだありましたので、以下に。
 
 
ボナールの猫です。
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サイトにも出ていましたが、取り込めないよう。この記事全体が容量オーバーのようなので、小さくしました。
 
ヌードもありましたが、カードは売っていません。あ、以前のカタログにありましたね・・・。
 
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 パリの展覧会(2006年)Pierre Bonnard l'oeuvre d'art, un arrêt du temps
( 芸術作品、時間の停止)のカタログから要約しています。
 
寝室の「男女」。(1900年)男性はボナール自身。服を着ようとしているところ。女性はマルト(もともと彼のモデルで、後に結婚して妻となります)
親密な場面ですが、そこにただようのは倦怠とお互いへの無関心。
カタログによれば、鏡に映った場面を描いており、実際の生活を反映しているとのこと。数枚のデッサンが残されている。中央の屏風によって、2枚で1対の絵のようになっており、男女の間にある距離を強調している。
 
暗いエロチスムはムンクの「翌日」Lendemain と比較されている。
 
間接的な場面設定は、画家と観察された現実との距離を示している。自然主義的な世界ではあるが、画家は'une copie de la nature en ne la copiant pas '  (自然をコピーしないで表される自然のコピー」と述べ、視覚と表象の問題を問いかけている。
 
もうひとつの作品
 
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少し写真がわかりにくいですが、マルトさんがベットに横たわる姿。
L’indolente(投げやりな、物憂い態度の女性)
わたしの前を通った女性がこの絵をみて、「あられもない姿・・・」と言っていました。たしかにそうかも。筆致とか光に気をとられがちなわたしは全然気になりませんが。
1899年の作品。当時、絵画、文学の世界の興味をとくに引いたとのこと。当時の文学、ゾラ、ゴングール、ユイスマンス、いプセンらの作品との関係が考えられる。
画面構成は、強いコントラストと、ベッド、ヌードの体の2本の斜めの線が特徴的。
男性の存在はパイプの煙でわずかに示されている。(ああ、煙なんですね。それはちょっとわからなかった)
 
ほかに小品があります。男女の姿。「親密さ」と題されていますが、二人はそんな様子はなく、画面手前に別の人物?ともかくおおきな別の腕が描かれています。
 
ボナールの若き日の姿がこの絵に出ています。
 
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これは会場にあった日経新聞からの写真。ナビ派のモーリス・ドニ描く
「セザンヌ礼賛」
新聞の特集の一部で無料でもらえます。
この絵はもちろん展示されています。右端の帽子を被って髭を生やしパイプを加えている人物がボナールです。
 
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100点ほどの絵が載っているクリアファイルを買いました。500円。
ゴッホは右側にある、星空の絵が一番印象的でした。わたしの好きな水色の背景の自画像は来ていませんでした。残念。
 
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この左端の絵が巨大なボナールの作品。南仏のル・カネにアトリエを構え、よく丘の上から下っていく村や野原、海の風景を描いています。これははじめてみる作品。黄色はミモザ、オレンジは屋根です。木々の葉がシルバーに描かれています。
あかるい南仏の丘を風が吹き抜けていく感じです。さわやか。
最後の部屋「装飾の勝利」のところに他のボナールの大作(より装飾的)と一緒に展示されています。ぜひご覧下さい。
 
ボナールの代表作、もっとも素晴らしいもの、とまではいえませんが特徴をよく表しています。日本でこのような大きなものを見るのはほとんど初めて。
上部にカーブの線が入っているのは、絵自体が角が丸くなっているから。ボナールはキャンバスを壁などにピンで留め、そのまま描いていました。で、描き終わると、その出来た大きさで枠に張ったそうです。
 
オルセー展の公式サイトはこちら。
 
2時間ほど見て、簡単にお昼を食べました。テラスは気持ちよい。
 
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ヒルズ。
 
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席もじきに空きました。
建物の外壁も少し見えます。これは黒川さんの遺作とも言えるものでしょうが、開放感があって良いです。
 
 
乃木坂方面にの出口(入り口)にはチケットを買う人々の行列が・・・。40人くらいはいました。
この日、ちょうど入場者が10万人を超えたそうです。10万人目の方はカタログなどプレゼントがあったそう。
 
8月初旬までですので、機会のある方はぜひ。夏にパリに行っても、オルセーは開いていても、この時代の絵は見られません。12月に新装オープンのようです。
 
よければクリックも。^^
 
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おととい、東京が今年はじめて夏日を迎えた日、新しい三菱一号館美術館にいってきました。
 
はじめてはまずこの美術館。レトロなレンガ造りで、中庭に緑の木々、ちょうどバラの花がさきはじめています。東京駅に近いのに、ほっとする空間。(きれいです!こういうときに限ってカメラを持っていない・・・)
 
はじめての2つ目は、日本でのマネ展。説明もされているように、日本ではマネは印象派の画家にくらべて知られていません。
 
オルセー美術館では、19世紀中葉の作品は1階に展示されていますが、クールベとならんで、マネの作品は大作も多く、両者が代表的といって良いでしょう。
 
オルセーの有名な「オランピア」や「草上の昼食」はほぼ門外不出だそうで、これらは来ていません。「有名なものがない・・・」とこぼしておいでの観客もいて、みなさまけっこうご存知の様子。
でも、展示されている「エミール・ゾラの肖像」「ロラ・ド・ヴァランス」などは有名作品と言ってよいでしょう。
 
前置きがながいですが・・・。
 
今回目玉の作品はこれ
 
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カタログです。démunie なので、さんざん迷って、カードはやめにしてこれを購入。
 
画家でもあり、マネのモデルをつとめたベルト・モリゾのすみれの飾りをつけた肖像。
これはオルセー所蔵ですが、見るのははじめて。
 
以前80年代にマネ大回顧展が、パリのグランパレで行われたときはなかったように・・・。この作品は個人の所蔵だったものが、
dation  (相続税の物納)によって国庫に入ったとのニュースを90年になってからFrance2で見た記憶があります。
 
何枚もある肖像画のなかで、気品とすこし憂いを含んで、素敵です。
婚姻により、遠縁にあたるポール・ヴァレリー(20世紀の大詩人)が絶賛とのこと。
 
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こちらはもっと親密な感じがします。(光っているのはカタログから写しているため)
 
二人はお互い特別な感情を持っていたようですが、彼女はマネの弟と結婚。わたしは、彼がふられたと思い込んでいましたが、先日のNHKの放送では、マネはすでに妻子ある身。弟を紹介し、結婚の後はモデルにすることはなかったということです。
 
この展覧会は19世紀中葉、時の皇帝、ナポレオン三世の命により、
セーヌ県知事オスマン男爵が、パリの大改造を進めていた時代背景そのものについても多くをさいています。
 
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オスマンの肖像。
建築物のデッサン、建物にとりつけられていた彫刻などもいくつか展示されています。
 
マネは、描き方が大変革新的でありました。当時はアカデミーの評価にしたがって、ローマ時代の衣装を着たモデルで綿密に構成した、古いタイプの絵が主流でした。
そういったものに対して異議を唱えたマネ。サロン(官展)に出品しては落選を続けましたが、そのうち評価されるようになりました。
 
パリの詩人、ボードレールは、まず美術評論家としてデビュー。詩人、作家たちは当時、人々の手に入るようになった(あるいは借りて読む)「新聞」で健筆をふるったのです。
 
マネは年下で、ボードレールを敬愛していました。詩人のほうでも友情を結び、マネのデッサンにインスピレーションを得た散文詩も残しています。
当時の男性はほとんど黒尽くめの衣装、王制期にくらべて極めて地味です。(ルイ王様のかつら、衣装、ハイヒール?を思い出して下さい^^)
こういった当時の風俗をボードレールは「葬儀屋」 croque-mort (墓地まで運ぶ役目)にたとえていますが、
 
一つの時代にはその時代特有の美があり、これを芸術家は表現しなければならない
 
いわゆるモデルニテの美学ーを唱えたのです。
 
マネは当時流行したスペイン趣味の影響ももありますが、この考えにしたがって、オペラ座の舞踏会、整備されつつあった公園での野外コンサートの模様などを描きました。ですので、「モデルニテの画家」と呼ぶことができるでしょう。それなのに、ボードレールはこれは理解せず、ドラクロア(ドラクロアは素晴らしいことには変わりないが)を評価して、マネの絵にはそれほど評価を与えていません。皮肉なものです。
 
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ボードレールの肖像画(エッチング)
 
また、リアリズムの小説家、シャンフルリの「猫」のためのポスター
 
イメージ 9  猫好きにはたまらない?
 
  ほかにも猫のシリーズが。
 
   
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墨で描いたようにも思えるもの(実際そういうデッサンもありました)
 
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この展覧会は、「スペイン趣味」「パリ生活」などのテーマにわかれていますが、
展示内容と目録(うすい無料のパンフ)の順序が一致せず、みづらいです。カタログの順番になっています。思いカタログを見ながら観覧する人はいないでしょうが、パンフは不便でした。
 
そして、この絵もあったんです!
 
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パリの大回顧展で見ました。以前にもボードレール関連でアップしましたが、これはパリにはないので、そのとき以来・・・ボードレールの愛人、ミューズである
ジャンヌ・デュヴァルの肖像です。 émotion....
よくみるとスカートの部分は下地の上に絵の具をざっとおいただけ、ソファの後ろとジャンヌの顔のあたりが厚く入念に描かれています・・・。
 
ほかには、タヒチに行く前のゴーギャンのパリを描いた絵
 
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なかなか良いですね。
 
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ところで、カタログを読み始めて驚いたのですが、マネの画法は様々で一定していない、という評が多いそうです・・・。わたしは全然そうはおもいません。
たしかに、スペイン風で、黒が基調となり、コントラストの強い絵、人物をほぼ等身大で描き、背景は何も描かれていない(茶とかくろの面)ものがあるのに対して、
明るい陽光の中、印象派風の色使いのものもあります。
 
でも、マネのタッチは当時ではまったく斬新で(そのため書きかけ、習作とみなされていた場合も)それはマネの作品に共通するものであると思います。
 
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(これは「オペラ座の仮面舞踏会」のための習作です)
 
静物画
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写真が反射していますが、一気呵成に描きあげたかんじのタッチが魅力的。
これがマネをマネらしく、そしてほかの画家たちと比べて古びない、現代的な感じを与えている理由だとわたしは思います。
 
黒について
 
マネの絵には黒が多様されていますが(印象派は黒を使わない、でもそのあとのフォーヴ=マチスですとか、ピカソ、大好きなボナールは黒を印象的に使っています)
NHKの放送によると、マネの黒は影ではなく「色彩としての黒」であり、輝きを出すためにオークル(黄土色)のパウダーを絵の具に混ぜたり、またグレーも、いろいろな色を混ぜて(絵の具はたくさんの色をまぜると灰色になります)それに白を入れて調整し多彩なグレーを作り出している、とのことです。
 
 
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51歳で世を去ったマネの写真。
 
ベルト・モリゾさんの絵も1枚ありました。
 
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この美術館の周辺はあたらしいグルメスポットでもあるようで(そっちは前からあったのか?)ロブションのカフェがあったので遅い昼食をたべました。アスパラ、チーズ、生ハムをグリルした温かいオープンサンド。おいしかったですよ。なぜタルティーヌというのかな?くつろんだ雰囲気のせいか隣席のひととも言葉を交わしたり・・・都心ではあまりないですよね?
レストランのミクニもありました。(こちらはお高いでしょうね・・・)
 
マネの他の代表作はサイトでご覧下さい。ここに展示されていると勘違いされないために。
 
 
ゾラを描いた作品は、はじめのほうに紹介されていますよ。
展示は7月25日までですので、機会のある方はぜひどうぞ。
 
よければクリックも。
 
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長谷川等伯の没後400年!大回顧展、(1539~1610)

東京国立博物館(上野)に水曜日に行ってきました。


公式サイトはこちらです。



朝早めに行こうと思ったのですがぐずぐずしていて、着いたのは12時ごろ。
混雑しています、との掲示がでていますが、博物館は広いので、入り口で行列、というようなことはありませんでした。

しかし、中は2重、3重の人垣が・・・。

なるべく人のいないところを見計らって鑑賞。

展示室は2つに分かれ、中央にミュジアム・ショップがあります。

ぐるぐる3度くらい回りました。

有名な「松林図屏風」は、これが3度目になると思います。
(トップの画像は六曲一双の右側のみ)


ずっと前に、この博物館で国宝展、といったものが開催されたとき、印象にのこっていました。
とはいえ、上野方面にでかけたついでに入って、閉館間際、どんどん歩いてみただけ・・・「鳥獣戯画」絵巻物、中国の書、唐代の楽器(素晴らしい!)などと同時に見たもので、中国のものかと思っていました。はっきりはしませんが、この屏風は国立博物館所蔵なので、間違いないかと思います。


2度目は、数年前、出光美術館での等伯の展示。屏風、水墨画が中心だったと思います。

人出もそれほどでなく、ゆったりと静かに鑑賞できました。

ですので、今回他の大作も見たあと、いよいよ「出会った」ら、
あ、小さい・・・ というのが印象。

それで気をとりなおして、第一展示室からみなおし、

2回目はかなり落ち着いて、そして3回目は他の鑑賞者も気にせず、画面に入っていくことができました。

やはり素晴らしい。

壁の解説には、「描かれてはいない、霧を表現したかったのだろう」という風な記述が。


ともかく空気感がすばらしい・・・。
墨の濃淡で遠近を暗示しています。それは西洋の遠近法とも違うもの。

でも、なんとなく、ダ・ヴィンチが発明したという

「スフマート」画法 を思い出しました。

これは、遠くのものはぼんやりと見えるので青い色で描く、というような手法です。(モナリザの背景、上のほうの風景を思い出して下さい)

(わたしの個人的な感想です)


下に書いたビデオでも説明されていますが

静謐なかんじに包まれているものの、

近くでみると、松の葉は、強いタッチ(筆致)で描かれています。

そうでないと、これだけの余白が、とても持たない、活きてこないと思われます。

このため、静かな中にも力強さが感じられ、見る者をひきつけるのでしょう。


==============

さて、全貌ですが、

能登に生まれた等伯は、はじめは信春と称し、絵仏師(仏様を描く)として
生活していました。

その後、京都に出て、狩野派全盛だった絵師の世界に果敢に挑戦、

秀吉や千利休にも重用され、障壁画や、利休の肖像画も描いています。

等伯を名乗ったのは50代になってからで、初期の晴信と同一人物と判明した

のは、実に昭和になってからだそうです。

仏画は、保存が悪く、畳皺のついたものも多いのは残念です。


さて

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もう一つの国宝、「楓図壁貼付」

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部分。ちらしを撮影したもの。


これは全貌を見ないと構図の素晴らしさなどがよくわからない・・・。

図版などで見ると金箔も鮮やかですが、展示では照明が暗めであるせいか

もっと鈍い光です。また、画面下方の花々など、かなり絵の具が剥落しています。


それに比べると、「松林」のほうは染みなどなく、保存も良い感じがします。

しかし「朝日新聞」(3月3日夕刊)によると、

この作品には謎が多く、

紙質も悪く、下絵(習作)ではないか、との説が。

また他の作品と異なっているので、果たして等伯自身の作品かどうか、という意見もあるとか。


朝日新聞での解説、また展示でも触れられていますが、

等伯は南宋の画僧

牧谿 (もっけい)に影響を受けており、

かれの作品を模写、発展させた屏風もあります。

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その中でこの「竹鶴図屏風」は松林と同様な

墨の濃淡で奥行きをあらわす背景が見られ、共通性を感じ取ることができた、とわたしは思っています。




今回は張り切って、カタログも購入しようと思いましたが、

なにしろ重く、2500円(カタログとして高いとはいえません)

あきらめました。

記念に一筆箋、クリアファイルを購入。

大階段を下りると、一角でNHK制作の10分ほどのビデオを鑑賞できます。
なかなか良かった。

==========

さてお腹が空いて、喫茶室であんみつをいただき(おいしいです)

せっかくなので、国宝「千手観音像」を見にいきましたが、

途中、縄文土器やら、黒田清輝の部屋、3月だけにお雛様の展示などなどあり

脚が棒になりましたが、久しぶりの美術館三昧でした。


暖かく良いお天気で、上野公園は咲いている桜もあり、

避寒桜かと思われる種類の鮮やかな赤い蕾が見られました。

等伯の作品一覧のサイトはこちらです。
(わたしの写真は思わしくないので、こちらをどうぞ)


このうち、猿を描いたものは、あ、これ等伯?と思いましたが、上記の
牧谿(文字を入れるのが大変。中国語をたしなむ夫の助けを借りました)
の模写です。(追記:模写というのは言いすぎかもしれません。猿の描き方が同様ということです。構図、雰囲気などはかなり違います)

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