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皆さまもご存知の方は多いと思いますが
アポリネール Guillaume Apollinaire の
ミラボー橋 Le Pont Mirabeau
レオ・フェレの曲ですてきなシャンソンにもなっています
Youtube上のをあげておきますね
フランス語の会で、これを歌うことになり
まず詩を訳すことになったのですが
(カラオケで、いわゆる昔風のシャンソンを歌いたい方があり
音楽が得意な方が楽譜もプリントし、指導)
これが問題ありで
短い詩ですが
Le pont Mirabeau
Sous le pont Mirabeau coule la Seine
Et nos amours
Faut-il qu'il m'en souvienne
La joie venait toujours après la peineVienne la nuit sonne l'heure
Les jours s'en vont je demeureLes mains dans les mains restons face à face
Tandis que sous
Le pont de nos bras passe
Des éternels regards l'onde si lasseVienne la nuit sonne l'heure
Les jours s'en vont je demeureL'amour s'en va comme cette eau courante
L'amour s'en va
Comme la vie est lente
Et comme l'Espérance est violenteVienne la nuit sonne l'heure
Les jours s'en vont je demeurePassent les jours et passent les semaines
Ni temps passé
Ni les amours reviennent
Sous le pont Mirabeau coule la SeineVienne la nuit sonne l'heure
Les jours s'en vont je demeure
ミラボー橋の下、セーヌは流れる
かんたんそうですが
下線を引いた箇所
その1
Vienne la nuit, sonne l'heure
ここは、vienne が接続法になっています
普通は que に導かれているのですが、ここはなく
文法的には、独立用法 といいます
(que la nuit vienne が普通)
それを la nuit vient 夜が来る、と訳すのはまちがいで
夜よ来い、鐘よ鳴れ が正しい
===
文法事典をみますと、古い用法で
願望、命令、などを表す
Ainsi soit-t-il. かくあれかし
Dieu soit béni! 神の讃えられんことを!
などの例があります (フランス文法事典p506)
===
その2
Comme la vie est lente
Comme l’espérance est violente
ここのcomme は、上の
L'amour s’en va comme cette eau courante
愛はこの流れゆく水のように過ぎ去る
「~のように」、ではなく
感嘆文の、「なんと・・・!」 になります
比べてみればわかりますが
「ように」、の時はあとが名詞ーcette eau courante
それに対して感嘆文では
comme のあとが 主語+述語 になっています
なので、訳は
なんと人生はゆっくり過ぎゆき
希望は激しいことか
となります
でも、みなさん納得しないみたいで
で、Wiki 日本語をみたら、
なんと!堀口大學の訳が
夜が来る・・・
・・・のように、となっていました
え?ウソでしょ!
で、フランス語のexplication のサイト
(バカロレア準備のためのもの)を参照すると
ここは接続法なので、曖昧になっており
si la nuit vient 夜がきたら
que la nuit viennne donc 夜よ来てくれ
même si la muit vient 夜が来ても
の可能性を示していますが、話者のvolonté
意思、願望を示している
フランス語のサイトでは訳はないので(当然ながら)
英語をさがしました
vienne la nuit・・・ のところは
Let come the night let ring the hours
Let を使って、来させよ、みたいになっています(直訳)
また、comme のところは
How slow life is
And how violent Hope is
感嘆文となっています
つまり
人生の(歩みは)なんと遅く
希望はなんと激しいものか
(失恋―アポリネールは、かのマリーローランサンとの恋に
敗れてこの詩を書いたのはあまりに有名です。失恋の苦しみの中では時間は進まず、それでも希望をもち続ける)
英訳は、Rachel Tabley さん、アメリカのフランス、イタリア文学博士課程の方の
サイトからおかりしました
==================
他に今は日本語訳があるのかわかりませんが
ランボーなどは、いろいろ訳がでているので
間違いなども直されていると思います
わたしは堀口大學をけなすつもりは毛頭なく
はじめて外国の詩を訳すのは大変なことで
和仏事典などもなかったと想像します
ですので、もちろん敬意を払いたいと思いますが
まず文法的に正しくないのは困ります
その点、永井荷風はフランス語も良く出来たらしく
(アメリカでフランス語会話も習っていたようです、
「ふらんす物語」に出てきますね)
詩の選択もボードレールの大胆な詩などを訳しており
専門家の間では評判が良いです(珊瑚集)
(指導教授―故人ーの弁)
私自身の訳も載せるべきですが、今は時間がなく
次回にアップしたいと思います
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