フランスとフランス語あれこれ(英語もちょっぴり)

フランス語、フランスの文化、ニュースなど、また日本での旅行の記録、フランスなどに在住のフランス人メル友からの便りなどを紹介していきます。 今後、フランス語の細かい説明などの記事を増やしていく予定

2017年08月

少し前のことになりますが、わたしが気になっていて、尊敬する
二人のフランス女性が亡くなりました
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一人は Simone Veil  シモーヌ・ヴェイユ
政治家で、ヨーロッパ議員
シラク大統領の時に、内閣に入り、厚生大臣をつとめ
彼女の功績として、もっとも重要とみなされている
IVG (intérruption volontaire de grosesse   自発的な妊娠の中断、つまり
  妊娠中絶  日常語では、avoirtion といいます)を合法化したこと

フランスではカトリックの影響も強く、禁止されており
やむを得ず中絶する人は、国外、スイスとかスペインに渡航せざるを得ませんでした
経済的にも、健康面からも危険や問題をはらむこの問題を解決させようと
議会に提出、さまざまな反対、誹謗中傷にも負けることなく法案を成立
1974年のことです

過去には、ヴィシー政権(ドイツ占領に協力した政権)は、1943年に、非合法で
堕胎を女性たちのために行っていた女性、Marie-Louise Giraud を、見せしめのため
処刑した、などの経緯がありました

シラク氏は、右派の政権で、シモーヌさんはどちらかというと
右派の人ですが、左派からも信頼があり、フランス人に人気の政治家でした

彼女の特異な点は、ユダヤ人で、アウシュヴィッツからの生還者であること

子供時代を過ごしていたニースで逮捕され、家族は男女別々に強制収容所に
父と兄はリトアニアの収容所で死亡、
母と妹のMilou とシモーヌ自身のうち、彼女と妹がアウシュヴィッツから生還
(さらにすでにレジスタンス(対独戦線)に加入していたもう一人の妹Denise は
逮捕され収容所に送られたが、ユダヤ人であることを隠し通して、後にパリで再会)
大変な時代を生き抜いてきただけでもすごいことです

彼女の自叙伝 Une vie ある人生(トップの写真)を以前読んでいました
(わたしは本をを読むと書き込んだり、めちゃくちゃに痛めるんですが・・・)


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子供時代の写真

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写真の一部、彼女の交友関係の広さを物語っています
左はもとの法王、ヨハネス・パウロ・2世、
下はアベ・ピエール(ピエール師)、弱者の救済に奔走した人です

右上は光っていますが、50年後、アウシュヴィッツで
下は彼女のお子さん、お孫さんたちと

ほかにも各国の王、ヒラリークリントン、マンデラなど・・・

6月30日、89歳で逝去
国葬が、Invalide アンヴァリッドの中庭で行われ
二人の息子さんが追悼の言葉を述べ、それはMaman!と呼びかけた
暖かいものでした



Macron 大統領ももちろん演説し、Simoneさんをただたちに
フランスの偉人たちが眠る Panthéon  パンテオン(パリ5区にあり)に
 すでに亡くなっていたご主人とともに(これは家族の希望による)
祀られることを宣言しました
(死後すぐに入ることは大変珍しく、文豪 Victor Hugo くらいだそうです)
上のyoutube のページに、マクロン大統領の演説もあります

多少、マクロンの人気取りの感じもなくはありませんが、当然の決定と思います
本当に勇気ある女性、彼女のことはずっと語り継がれることでしょう


もう一人は女優の Jeanne Moreau    ジャンヌ・モロー
7月31日に、やはり89歳で亡くなりました
フランスを代表する女優さん
ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」
フランソワ・トリュフォー監督の
「突然炎の如く」  その他多くの映画に主演。監督も

突然炎の如くはわたしの大好きな映画のひとつですが
原題は Jules et Jim  「ジュールとジム」です
二人の男性、Jules と Jim は同じ女性を愛してしまった
情熱的でドラマチックな結末ですが、原作(かなり前に読みましたが)は
この二人の友情の物語、としています

どれも古い映画で、わたしも名画座とかテレビで見たのですが
30代くらいの方には、ジャンヌ・モローは
ヒット作  「ラマン」 L'Amant  のナレーション(作者のDuras デュラスの役)で
おぼえておいでかも

大変特徴のある声ですね


これは最後の部分ですが、はじめのところは英語版しかみつからず・・・モローさんの声を聴けます


Jules et Jim の映画に、モロー自身がうたっている
Le tourbillon    トゥルビヨン  つむじ風  という印象的な歌があります

わたしはCDを以前買いましたが

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ま、歌う女優、という感じですが
シンプルで味わいのある曲です

わたしたちは、出会って、いっしょになって、また人生のつむじ風の中に
戻っていったが、ある日また、きみの腕のなか・・・♪



あれれうまくいかないかな・・・youtube
あ、アップされるとOKですね


英語の字幕つきです 映像はちょっと縦長になってひずんでいますが
ぜひ聴いてみてください!


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突然ですが!

以前から書きたいなと思っていた
「家の記憶」をここにアップしたいと思います
(何度も別のブログを始めたのですが、2つ管理するのは無理で)

わたしの田舎の家、以前少しご紹介しましたが、古い日本建築です
古い家には、人々の記憶がすみついているような気がします

しかし、これがどこから書いてよいやら(少しはノートに書きましたが)
それで、子供時代のちょっとした思い出をまず書くことにしました

なーんか気取ってるようですみません

で、もちろんフランス語訳もつけました
(一応 Lang8 でチェックしてもらいました)


では、もしよければ、お付き合い下さい
(日本語と少し違っているところはあります)


夏  いろみずやさん
 
子供のころ、夏休みは長かった。宿題はあっても、毎日いもうとと、いくらでも遊ぶ時間があった。広い庭で、アサガオやオシロイバナの花を摘んで、「いろみずやさん」をした。
二人でコップや牛乳瓶に水を汲み、そこに薄くはかない花びらをひたして少し揉むと、赤や黄色、むらさきの色素が流れ出す。そのうち、全部のいろみずを混ぜると、灰色やくろとなった。それは夕暮れのいろだった。


Souvenirsd’enfance , l’été

Dans mon enfance, les grandes vacances étaient longues. Même s’il y avait les devoirs à faire, j’avais beaucoup de temps pour jouer avec des 
copains, avec ma petite soeur. 

On jouait au ‘’ marchand d’eau colorée’’, c'est ainsi que nous
 l’appelions.  Dans notre jardin, en été, on avait des fleurs de volubilis, des fleurs de poudre ( on les’appelait ainsi, car dans les graines de celles-ci,
 il y avait de la poudre blanche ),etc.

 Les pétales de ces fleurs étant fragiles,presque transparents, il était 
facile d’en  extraire le jus, de couleur rouge,jaune, violet... 

Ainsi, on pouvait obtenir de l’eau colorée dans des verres, dans des
 bouteilles de lait.  
A la fin, on en mélangeait le tout, ce qui donnait une couleur grise et
 noire, la couleur du soir.

アサガオ はフランスでは見ないと思いますが
volubilis  という訳が出ています

オシロイバナ はフランス語ではわからないので意味を訳して説明
しました


しかし・・・同じ単語の繰り返し、表現が多いかな・・・
もっとがんばります。笑
(文字がくっついていたところ訂正しました)

(素っ気ないので、アサガオの写真を加えました。今年のです)

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東京地方、関東以北は雨が続いています
まるで梅雨!
まあ、秋雨前線ともいえるらしいですが、もう秋?
7月の暑さがウソのようです

こんな涼しい、お日様の射さない夏をフランス人は

été pourri  エテ プーリ 腐った夏
      pourri  は pourir  腐る、という動詞の過去分詞が形容詞的に
      使われている、まあ形容詞です

と、言うでしょう
基本的に北国のフランス、夏はお日様を十分に浴びたい
雨ばかりではね・・・

とはいえ、昨今は温暖化で、今年も時々
猛暑  canicule   カニキュール  が襲っているようです

ただ
それよりも今問題なのは、
南仏の山火事  

原因はほとんど人間であるらしく、その25%くらいは
なんと放火!らしい

放火魔のことを  pyromane  ピロマヌ といいます
 -mane    は、何かを愛する人、という意味で
 たとえば、mélomane   は、音楽好きの人、を指します

ヴァカンスであまりニュースがないことも影響していますが
とにかく人々が避難したりで、被害は甚大です


さて、東京ですが、せっかくのお休み
ともかく晴れてほしいですね!

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どうでもいいですが
いまTVで マックかマクドかって、やってます

フランスでは、マクド
McDo ですよ!


正式には Mcdonald's (英語)ですが
少し右下に、McDo et Moi という欄あり

わたし暇かも

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スイス生まれで、パリで活躍した彫刻家
Giacometti の展覧会が新国立美術館で行われています

昨日友人と行ってきました
朝はやめに行きましたが、かなり人出が
夏休みで若い人たちが
月曜は高校生は無料とのこと、良いことですね!

トップは入口のポスター
南仏にあるマーグ美術館(ジャコメッティの作品を多く購入、また本人も寄付)の
屋外の展示。右が彫刻家本人です

フランスにいたときに、Giacometti を知り、たちまちファンに
マーグ美術館にも4,5回行きました。ニースから、内陸に入った丘の上
St Paul de Vence にあります

今回、ヴェニスの女9体、さらに、ジャコメッティというえばこれ、
という「歩く人」、「犬」なども展示されています

(ただし、彫刻は7個(8個だっけ)までは鋳造してオリジナルと認められますので
「歩く人」も南仏やパリのポンポドーセンターで何度も見ています

デッサンがたくさん、また油絵の作品も少しあったのがうれしい

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例によってカードを購入

アトリエの様子で
中央にこちら向きで、「猫」、右の床に 「犬」がありますね



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台座にいくつかの彫刻がのっているシリーズ
森、広場、7人の人物とひとつの頭部
(これらの作品についてはタイトルをつけるのに困ったという様子が、以前買ってまた引っ張り出してきた書籍、Alberto Giacometti, Écrits に書かれています

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最後の部屋は写真撮影OK
これはうれしいことです

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巨大な女性像


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ところで、以前、千葉の川村記念美術館で 矢内原とジャコメッティの展覧会がありました
(そのことはアップしたかも)

矢内原は、哲学者、大学の先生で、ジャコメッティと知り合い
会ううちにモデルを頼まれました
ジェコメッティのモデルを務めるのは長時間、じーっとしていなくてはならずそれは大変なことでした
矢内原著の「ジャコメッティと共に」にその様子、この彫刻家の制作の様子が描かれており(何度も色を塗っては塗りつぶしてしまう・・・
なので、完成した、あるいは破壊を免れた作品は大変少ない)
日本におけるジャコメッティ紹介に貢献したというわけです
(フランスで友人の本を借りて読みましたが、日本で再版が出たときに購入)

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こちらがその時のカタログ(右側は、新聞の端などにも常にデッサンを描いていたもので、矢内原が保存していたという)


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矢内原のポートレート
(そうねえ、こちらの展示のほうが好きだったかな・・・大きい彫刻はすでに見ているので・・・)



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今回も展示されていた、矢内原とジャコメッティをむすびつけた評論家、宇佐美氏がジャコメッティにもらったという、極小の女性像、白くて美しい



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他にもファイルなどを
ちらしはジャコメッティの映画で(来年1月封切り予定)
右上のジャコメッティは、俳優さんです
イギリスはアーチストについての映画を作るのがうまいので期待大!

ジャコメッティは人間の存在を極限までつきつめた・・・など評価されていますが
そうすると厳しい感じもするが、わたしは何か心休まる感じがしたのを覚えています

今回の展示では
最晩年の作品という

「終わりなきパリ」 Paris sans fin  

と題されたリトのシリーズを初めて見ました
カフェや街路など、わかりやすく、ほっとして、日常的だけれどおしゃれ
これも良いなーと感心しました(全体は分厚い本になっています、それも展示あり)

下の本は、いつだったかフランスで購入、上に書いた Écrits です
ジャコメッティの手紙や様々な文章、それに伴うデッサンが入っています(少し予習していきました)
この中に Paris sans fin の1枚が載っています

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これはアトリエなんですが

9月4日まで(火曜休み)
ぜひおいで下さい

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