フランスとフランス語あれこれ(英語もちょっぴり)

フランス語、フランスの文化、ニュースなど、また日本での旅行の記録、フランスなどに在住のフランス人メル友からの便りなどを紹介していきます。 今後、フランス語の細かい説明などの記事を増やしていく予定

2015年01月

イメージ 6


これは朝日新聞にも掲載されたという、テロ当日に発行されたマンガです
作者のCharb 氏も殺害されました
何年も前から脅迫を受けており、いつもユーモアで答えていたということです

フランスではまだテロがないって?
Attendez,
待ってろ
On a jusqu'à la fin janvier pour présenter ses voeux.
新年の挨拶は1月末までできるから

これが現実となってしまいました

voeux  はいろいろな祝福の意味ですが
cartes de voeux は年賀状となり、
季節的にもこの意味となります



イメージ 5


これも事件のほんの少し前にツイッターに掲載されたもの
テロリストが
(Al Bagdhdadi  アルバグダディはイスラム国の首領)

Et surtout la santé

とくに、健康を(祈る)

皮肉なものです

悲しくも事件を予感させる画像です

この2つは特に、連帯を示すために世界中で広がっているそうです
ご質問もありましたので、まずこの2つをアップしました


イメージ 1


これからは、Charlier Hebdo の facebook から拝借

これもご質問をうけましたが
たしかに、大ヒット映画、Intouchable のパロディです

Faut pas se moquer

Il ne faut pas se moquer

前の部分が話し言葉で省略されています
意味は、「バカにしてはいけない」

身体障碍者になったムハンマドが怒っている様子

イメージ 2

諷刺の対象は、もちろんイスラムだけではありません

これはSony を皮肉ったもの
あ、まちがえて英語版をとりこんでしまった
削除できないようです

意味としては

「Sony は キム・ジョン・ウンのケツをなめてる」

これは、アメリカで、彼の暗殺計画を描いたという映画の上映が
北朝鮮のサイバーテロで中止になったことを皮肉っている
これはわかりやすいです

フランス語では
lécher le cul de...   となっています

lécher les bottes, ( les genoux, le cul ) de  ( à )

~にごまをする、へいこらする
という表現となっています

なので上のは直訳風ですね


昨日、同僚の先生とも話してましたが、まあ、お下劣なものが
多い、彼にいわせると最高! とか



イメージ 3


オランド大統領に ラブラドール犬が飛びついています

オランドの人気はラブラドールの間では急上昇
これは何をさしているのかわからないので調べてみました

すると、12月末にエリゼに入ったラブラドール犬が(実際には黒)
名前を Philae フィラエというそう

これは話題となった彗星探索機ロゼッタが困難のなか着陸させた
着陸機の名前

ヨーロッパのマスコットとなった、人気のフィラエ
この犬はよく訓練されていて、なんでもいうことを聞くそうです
それは不人気な大統領にとって夢のようなこと、らしい


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「幼子イエスの真実の物語」

まあ、ちょっと・・・ でも真実の部分はたしかにありますか
とはいえ、下に
Evangilles apocryphes et autres textes 
とありますので、聖書外典などによる、正統でない文書による説

これは右がヨセフで左がマリア?
中央の女性はブルカを着たアラブ女性??
キリストはアラブ人ということ??(実際はユダヤ人)
かと思いましたが、マリア様も宗教画や彫刻では
ベールをつけていたりするし
青い衣は一般的には聖母を示しますし

うーん、よくわからない
分かる方教えて下さい

諷刺はむつかしい・・・
わからなければアップしなければよいのに、
たしかにそうです
しかし、なぜか削除もできないので・・・失礼

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フランスでは、Cherlie Hebdo の襲撃事件
表現の自由にたいするテロに抗議して
全国でおよそ400万人もの人々がデモ行進を行いました
 
日本でも報道されています
 
今朝届いた、友人のソフィーさんのメールをご紹介します
(彼女はEcole pratique des Hautes Etudes の教授です)
 
Hier c'était une marée humaine, c'était impressionnant.
きのうは人の波だった、感動的でした。
Les gens discutaient entre eux sans se connaître.
人々は互いに知り合いでなくとも話し合っていました。
Je crois que c'était nécessaire pour que les gens n'aient pas peur
わたしは、これが必要だったと思います、人々が恐怖を覚えないため、
et puissent penser à autre chose qu'à tout le sang qui a coulé,
また、流れた血よりほかのことを考えられるためにも
même si on n'oublie pas.
これを忘れることはできないとしても。
Mais je n'oublie pas non plus qu'il y a des régions en Syrie, en Irak,
でも、わたしは忘れない、シリアやイラクで
où ces meurtriers tuent des gens presque sans défense.
これらの殺人者がほとんど身を守ることもできない人たちを殺しているのを
Ce n'est pas seulement ici,
これはここだけのことではない
et c'est avec beaucoup plus de drames encore.
そしてもっと悲劇的な状況になっていることを。
 
 
フランス人はなぜ、そこまで表現の自由を重んじるのか?
という疑問が日本では発せられるのは、このわたしには疑問ですが
 
表現、言論の自由は民主主義の根幹です
言いたいことが言えなければ支配者の言うなり
どこまで自由か?節度も必要というテレビのコメンテーターがかなりいますが
しかし、そんなことが規定されたら
それは言論の自由はない、存在しないでしょう
この件については自由だが、あの件については自由ではない
それはおかしいですよね
 
反対の意見であれば反論すればよい
銃を持って殺しに来ますか?
 
イスラムとの衝突はフランスだけのことではありません
イギリスの地下鉄でもテロ事件がありました
なぜフランスでは雑誌社が標的になったのでしょう
 
ひとつには社会のありかたの問題が関係しています
イギリスでは、communautarisme  コミュノータリスム、
をよしとしています
これはそれぞれの文化的コミュニティーに
わかれて、別々に生活して、共存するということです
 
 
それに対して、フランスは、共和主義の名の下に
統合(intégration) を求めます
フランスにいる限り、フランスの理想を認めて
生活していく
そのかわり、というか、そういった状況のもとに
フランス国籍も容易に取得することができます
移民としてフランスにやってきた人々の子供たちは
フランスで生まれたということでフランス国籍を容易に取得できます。
出生地主義です。
(近年は多少、滞在年数、フランス語の習得など条件つきですが
日本とくらべれば、らくらく、です)
 
これに対してドイツなどは
血統主義をとっています。日本もそうです。
日本人の親からうまれたかどうか、が重要となります。
フランスでは「フランス民族」ということは考えません
いろいろな人種的、文化的背景の人々が集まっていることを前提としています
 
それ故、「自由、平等、博愛」のモットーが必要なのです
(Nouvel Obs ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール
などを読んでいるとこのように説明されています)
 
 
 
このたびの事件の犯人たちは、みなフランス人です
ただ、いわれているように、二級市民の扱いを受けていると
感じる人が増えてきているのも事実です
それはフランスの同化力が弱くなってきている
 
もう一つはフランス独特の政教分離の理念
フランスは信教の自由を早くから認めていますが
それは個人の精神の中でのことです
第三共和国(1871年)以来、政教分離が宣言され
公立学校で宗教を教えたり、宗教行事をすることは
禁止となりました
 
とはいえ、クリスマスのツリーくらいは飾ったりします
これも反対、という意見が出て問題になったことがあります
 
フランスは王権に反対して、そしてその基盤となっている
カトリック教会の権威にも対抗して、共和主義、フランス革命を
完遂しました。
ですので、フランスの共和主義は本質的に無宗教のところがあります
 
イスラムの信者たちは女性はスカーフをしていたりします
(個人によって、宗派、国によって様々です)
全身を覆うブルカは公の場では宗教的象徴を
「これみよがしに」 de façon ostentatoire
あらわすものとして、禁止になりました。
何を所持しているのかわからないという、安全上の問題もあるのでしょうが
 
これ以前から、学校でスカーフ(foulard) を着用することが
禁止になって、これも論争を招いていました もう30年くらいでしょうか
 
服装くらいよいではないか?という意見もあるでしょう
ただ、なぜ髪を覆う、あるいは全身を覆うのは女性だけなのか
こうした人は、肌を出すことはできないので、たとえば
体操の授業は拒否する人もいます
授業を受けるうえで問題となったりします
 
=================
 
早い話が、イスラムの多くの国では男女平等ではありません
女性は家を継ぐことができないので
8人の娘を持った父親は、最後の娘を男性として育てる
その女性の物語を描いた小説
L'Enfant du sable   「砂の子供」を読んだことがあります
作者のタハール・ベン・ジェルーンはモロッコの作家で
この続編ともいえる、La nuitsacré  「聖なる夜」で
ゴンクール賞を受賞していますので、「西側の作家」と言えるかもしれませんが
イスラム文化の一面を知ることができます
(訳本がでています)
 
 
イスラム国は、少女を誘拐して性奴隷としたり
少女に爆弾をまきつけて自爆を強制しています
 
こういう国が勢力を増したら世界はどうなるのか?
それは困ります わたしはそう思う
 
メル友のルネさんなどは怒りのあまり
相手を殲滅するか、イスラム国になるか
2つに1つしかない!
というメールを送ってきました
 
(でもそれじゃあ、私たちにつくか、あっちにつくか、と言った
ブッシュと同じでは?と言いましたけど)
 
とくに、Charlie Hebdo は政府の思惑とも関係なく
政府のプロパガンダを流している一般のプレスとは違う
(本当に自由な)新聞であったから、といいます
 
仕事もなく、目標を失った若者が過激思想に惹かれて行く
これについては対策を考えることも必要でしょう
 
 ===========================
 
それから3つめ、フランスで成功する、うまくやっていくには
言語の問題がある。
フランス語は、文法が英語にくらべれば簡単とはとても言えない。
正しいフランス語、格調高いと思われるフランス語を書くのは
大変だったりする、もともとのフランス人でもそうです
ましてや親がフランス語を話さず、母親は母国語でも文字を読めないとしたら
教育も困難になりかねません。
本人の努力と才能にかかってきます
 
でもね、彼らは、期限付きで、研修の名のもとに
低賃金で働き、終わったらいやおうなく自国に返されてしまう
どこかの国にきた外国人労働者とは違う
れっきとしたフランス人なんです
フランス人の権利を所有している
それでもイスラム国にフランスからは1000人も参加しているという
その辺に一番の問題があるのですが・・・
 
 
ただ、家庭の中というのは習慣が残っていますから
そういった家庭では、男子は甘やかされている
(母親も女性なので力がない・・・これはフランス人の友人から昔聞きました
日本人からみたら、必ずしもそうではないかもしれません、日本のほうが
男女の別がまだまだあるのかも)
女子は兄弟に厳しく監視されていたりするという
 
 
 イスラムの国にもいろいろあるでしょう
わたしの経験はモロッコです
モロッコに行ったときに、あたりはフランス語が話されているので
うっかりカフェに入りそうになりました
でも、気づいたら男性ばかりなので、あわててやめました
 
カサブランカのモスクに入ろうとしたら、夫はイスラムでなくてもOKといわれ
じゃあ、わたしも、と靴を脱ごうとしたらダメ、と言われました
女性はみんな2級市民です、日本人の目からみても
 
それでもモロッコは特に原理主義的ではありません
旅行者として歩くなら、素晴らしい国です
 
 
思いつくままですが、フランスとアラブ圏の国のちがいを
少し書いてみました。
やはりかなりの違いがあります。
しかし大多数のアラブ系移民の人々はフランスになじんで
穏健なイスラム教徒であったり、あまり宗教的でもなかったりします
 
 
====================
 
わたしの意見だけではなんですので
昨日のLibération  リベラシオン
(Charlie Hebdo がこの新聞社の建物の中のオフィスを借りて
         編集を続けています)の記事を見てみましょう

Près de 4 millions de personnes ont défilé en France dimanche, scandant «Je suis Charlie» et «On n’a pas peur». A Paris, la foule était si dense que la préfecture a un moment renoncé à compter. Il s’agirait de la plus forte mobilisation jamais enregistrée dans le pays.

 
日曜日、400万人近くの人々がフランスでデモ行進をした、
「わたしは シャルリー」 「わたしたちは怖くない」
パリでは群衆があまりに多いので、警察は一時人数を数えるのをあきらめた
ほどである。
この国でかつてない大規模の人数(動員)であった。
 
 
ドイツ、イギリス、イタリアはもちろん、イスラエル、パレスチナほか各国の首脳が
集まって行進しました。
 
フランスに問題がない、というわけではもちろんありません。
 
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つづきを書けませんでしたが
フランスでは現在、軍隊も出動して繁華街や交通機関
とくにユダヤ系の学校を警備しています
 
しばらくは緊張状態が続くのでしょう
あらたなテロが起こらないことを祈るばかりです
(説明不足のところなどありましたので、少し書きかえ、追加しました)
 
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またご質問をいただきました
こちらにアップします
 
Son activité principale est de distribuer des repas chauds gratuits aux personnes
dans le besoin.
 
訳  その主な活動は必要としている人に暖かい無料の食事を配ることである
 
 
 
この中の de  はなんですか、というご質問
 
 
この de は、不定詞を導く前置詞の de です
 
一般的に être+不定詞のときは、
être de 不定詞となります
 
L'important, c'est d'aimer.   重要なのは愛することだ。
L'iimportant, c'est de participer. 重要なのは参加することだ。
2つめは、オリンピックの「参加することに意義がある」という言葉です
 
 
また、主語も不定詞の場合は、
être + 不定詞 となります
 
Prier serait les trahir.   祈ればかれらを裏切ることになりましょう。
                (朝倉文法からの引用 カミュの文ということです、少し
                  むつかしいですね)
 
よく知られた歌(歌曲)に
Partir, c'est mourir un peu.   出発するとは、いくらか死ぬこと
というのがあります。(もともとイタリア語)
 

別れの歌です。日本だと水杯、のかんじですかね。
わたしの好きなオペラ歌手が歌っていますが、よい歌ですよ。
 
(もう一つのほう、une poitrine, de la poitrine  は、
そう言うとしか答えられないのですが、フランス人にちょっと聞いてみましょう)
 
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日本でも報道されていますが
昨日、パリで、Charlie Hebdo ( Hebdo は hebdomadaire - 週刊誌の意味)
雑誌社が襲撃され、12名もの死者がでました
 
まったくひどい事件です
こんなことが起こるとは信じられない
 
容疑者1人が出頭したというニュースもありますが
アルジェリア系のフランス人との報道が
 
犠牲者のうち4人は風刺画家ですが
その中に、よく知る名前がありました
Wolinsky  ヴォランスキーという画家で
アルバム album(フランスの大型の劇画本)も持っていました
Noubel Obs,  Paris Match などの他紙でも活躍していました
(ヌーヴェル・オプセルヴァトール、パリマッチ)
ユーモラスでちょっとエロチックなものが多かった
 
 
ネットで検索すると
Charlie Hebdo を支援する画像があふれていました
Je suis Charlie.   「わたしは シャルリー」
と共感を示しています
 
 
 
(画像がうまくとりこめないようです)
とりあえず、上のなかにたくさんでてきますが
メガネをかけていて(かけていない時もあります)
毛髪の少ない人がヴォランスキーさんです
作品とともに写っている写真もありますので
ごらんになってみて下さい
他3人の dessinateurs  (イラストレーター あるいはcaricaturistes 諷刺漫画家)
たちも犠牲となりました
一緒に写真が載っています
 
ショックと怒りでいっぱいです
 
8日夜 追記
メル友、Dijon在住のピエレットさんから、東京のフランス大使館でも
犠牲者のための集まりがあり、その写真が送られてきましたので
ここに乗せます
 

 
イメージ 1

説明文
#CHARLIE_HEBDO Rassemblement à l'ambassade de Francehttp://cdncache1-a.akamaihd.net/items/it/img/arrow-10x10.png à Tokyo en hommage aux victimes de Charlie Hebdo #JeSuisCharli
 
東京のフランス大使館での集まり、シャルリ・ヘブドの犠牲者に哀悼の意を表して
 
facebook でも 友人たちがつぎつぎに記事をアップしています・・・
 
こちらをご覧ください
 
Wolinskiさんがデッサンをしています
 
 
(コピーライトのため、埋め込みはできないようです)
 
Les femmes de présidents sont tenues au silence.
 
描かれたデッサンにつけられている言葉ですが(映像では消えてしまうので
                  とめてみました)
(tenu à     ~   ~の義務、約束などに拘束された)
 
時期がわからないので
 
大統領の奥方たちは沈黙を守ることを義務付けられている
 
なのか、
 
大統領をめぐる女性たちは・・・
なのかはっきりしません。しかしこちらのほうでしょう
 
オランド大統領は就任したとき伴侶であった(いわゆる妻、ではありません)
トリア・ヴェラーさんが、暴露的記事を書いたり
もとの妻である、ロワイヤルさんについて、選挙戦中に批判し
対立候補を応援した、などのいきさつがありました。
これについては批判的な意見が多かったようです
 
1人の人間であっても大統領の伴侶であれば
沈黙せざるを得ない、ということを皮肉っているのかと
おもわれます。(映像の投稿は2012年)
 
また、tenir という動詞(tenu はこの動詞の過去分詞から派生した形容詞)は
つかんでいる、持っている、という意味になりますので
 
この絵で、背広を着た男性の腕だけみえて
彼女をつかんでいるので、言葉あそび(2重の意味)となっても
いるようです
 
うまいな・・・
 
 
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