フランスとフランス語あれこれ(英語もちょっぴり)

フランス語、フランスの文化、ニュースなど、また日本での旅行の記録、フランスなどに在住のフランス人メル友からの便りなどを紹介していきます。 今後、フランス語の細かい説明などの記事を増やしていく予定

2013年10月

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(写真はルモンドから拝借、2000年)
 
今日はでかけていてニュースもろくに見ていませんでしたが
帰宅するとニュースで
伝説のロックバンド
Velvet Underground の
Lou Reed ルー・リードが亡くなったということです
BSで見ました
 
(今朝のBS France2 はいつもと放送の時間がずれていたようで
入っていませんでした)
 
そこでとりあえず ぐぐると、ルモンドに記事が
 
以下のサイト
 
 
ルー・リードはアメリカのロック歌手、
Velvet が解散したあとはソロで活躍
N.Y.の ジャンキーでバイな生活を歌っていますが
人生を感じさせるいくつかの素晴らしい歌詞と楽曲
政治的にも「ジョン・ケネディが死んだ日」ほかの
曲があります
 
記事を一部引用しましょう
 
Avec le Velvet Underground, il avait réinventé le rock 'n' roll,
ヴェルヴェット アンダーグラウンド で、彼はロックンロールに新しい価値を与えた
dix ans après Elvis Presley,
←プレスリーの10年後に
faisant hurler les guitares dans les galeries d'art,
アート・ギャラリーでギターを唸らせて
sous l'égide d'Andy Warhol.
←アンディ・ウオーホルの庇護のもとに
 
Il avait à peine 30 ans quand il est devenu la figure historique
彼が歴史的人物となったとき、まだ30そこそこだった
 vers qui David Bowie se tournait pour inventer le rock décadent,
←デヴィド・ボウイがデカダンなロックを作り出そうと彼に目を向けたとき
 
avant que toutes les vagues successives du rock, du punk à la scène new-yorkaise contemporaine, se réclament de son patronage. Provocateur infatigable – prêt à embrasser aussi bien la cause de la peine de mort qu'à insulter les journalistes qui l'interrogeaient –, il n'avait jamais cessé de créer. Jusqu'à ce dimanche 27 octobre, date de la mort de Lou Reed, annoncée par le magazine américain Rolling Stone.
 
(あとは要約です) その後あらゆるロックの流れ、パンクから現代のニューヨークのロックまで、彼の影響を受けていると言っている。つねに挑発的であって
死刑反対を支持し、質問した記者を侮辱するなど・・・。
最後の日、10月27日まで創造をやめることはなかった。
ローリング・ストーン誌による
 
 
正直言って、ロックのファンになる以前は
クラシック、オペラのファンで あと追いでロックは聴きましたが
ルーは特別の存在
 
やはり「ワイルド・サイドを歩け」 Walk on the wild side
これを聞いて、その声、飛んでる歌詞など一気にはまりました
 
昔のアルバムはツタヤでレンタルし
ファンになってから出たのは、アメリカの作家
エドガー・アラン・ポーの詩を題材にした 
Raven
 
(ちなみに、ポーは日本では「黒猫」などの探偵小説の作家として知られていますが
フランスでは、文学的に高く評価されており 
Histoires Extraordinaires 「世にも不思議な物語」はボードレールが翻訳し
Raven 「大烏」の詩は、マラルメが訳しています)
 
その Raven のアルバムツアーに行きました
大烏の詩を、音楽にあわせて、ほぼ朗読するものです
もちろん、Velvet からの曲も演奏されました
ルーはギターもうまい
 
調べたら2003年、新宿厚生年金会館で
娘といっしょに
ルーのコンサートは、みんなで盛り上がって、手を振り上げるというのではなく
じっと聞き入るかんじ
というか、毒が回ってくるというか
すばらしかった
酔いしれて帰ってきたのを思い出します
 
フジロックにも来て、映像を見ましたが
なんか観客とあってないようでもありました
 
それに、この夏に Wowow の
ライブ・イン・プラハ で元気な姿をみたので
2012年7月のもの
Velvet から 最新アルバム、LULU までを含むものでした
今は亡き元大統領、ハベル氏に捧げる言葉ではじまったコンサート
 
だから、死去のニュースを聞いて、びっくり
あー、もう来てくれないのか・・・
残念です
 
若いときは他のロッカーのようにヤク中だったと思いますが
ここまで生き延びてるのは、もちろんヤクは絶って
毎日ジョギングなどで体を鍛えていたからです
 
 
Walk on the wild side は
上のルモンドの記事の右側にのっています
クリックすると
パリのオランピア劇場でのライブの様子が(1973年)
Dailymotion で見られます
きっと聞き覚えがあるでしょう
 
(追記 英語ではこちらのサイト
 
アルジャジーラ?? 英語です。音はこちらのほうが良いかも。ホワイトハウスでもうたった、というのは
クリントン大統領の時、親しかったと思います。えーとハベル氏もいたかな)
 
そういえば
退院したときに、元気を出すため?に
ネットでルーのTシャツをアメリカのサイトで買ったことも思い出しました
 (笑ってしまいますが)
歌詞を集めた本も持ってました
 
 
Sweet Jane, Perfect Day, Monday Morning ..... すばらしい曲たち
 
いろんなのが入った、Animal Serenade がすぐ手元にあるので
今夜はこれを聞くとしましょう
 
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11日、12日の二日間、伊豆の峰温泉(河津桜の一番下流に位置する)に
いってきました
 
天気予報は良くなかったのですが、夕立があったほかは
すばらしい秋晴れ、いや暑くて真夏のようでしたが
 
トップは東名高速からの富士山
いつもなら初冠雪して白くなっていてもよいのですが
それにしてもこの写真、フシギです
 
 
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下田にいくのは久しぶり
時間があるので碁石が浜に
砂浜はこの左手のほうですが
堤防のかさ上げ工事のため近寄れない感じに
津波の影響は全国的であると感じられます
 
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浜から上がってくるとカニが
昔はどこでもいた、赤いかに
最近は珍しいのでカニくんにポーズしてもらいました
 
 
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峰温泉、玉峰館
以前3,4回は行きました
食べ物がとってもおいしく、バリの家具がある部屋
リビングみたいな感じでしたが、田舎風で
フランスの maison de campagne (田舎の家=別荘)にでも
遊びにきている雰囲気でした
写真はロビーのようなところで、ここは
あまり変わっていません
 
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客室は大きくかわりました
前は、畳でお布団
まあ、旅館だったのです
いまはベッド
このほうが喘息のわたしには安全
 
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化粧室、というか洗面台
入口との境目は昔風のガラス戸で
おしゃれです
 
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夕食は5時半と7時45分の二回
5時半では早いので、まずはお風呂に入り
それでも時間はあまるので散歩
入口です
 
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源泉が吹き上げています
以前はこの横が玄関でした
 
 
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やっと食事にありつけた! と思って
まずは食べてしまったので・・・
ゴマ豆腐にウニ、アワビがのっています
 
それから口取りの盛り合わせ
 
お椀
 
急いでいただいたので写真がありません・・・
 
 
お造り
 
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新鮮でおいしいですが、これ、一口くらい食べただけ
まあ、少量ですね・・・
 
魚料理は3つのうちから選べます
海老のシンジョウのウニソース
これはソースがお口にあわず
 
お肉も選べて
フィレの網焼き、フォアグラ味噌をえらびました
 
 
イメージ 3
 
これはとってもおいしかったですが、やっぱり
あっという間にたべてしまった・笑
 
 
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うれしいサプライズが!
この日はわたしの誕生日だったので
ケーキは出来ますかと夫が聞きましたが
当日では無理ですとのこと
ここは日本料理なのです
 
でも、デザートをアレンジしてくれたのです
 
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お庭はライトアップされていて美しい
広々と見えます
すぐ隣に以前は別の旅館があったのですが
引っ越して買い取ったのだとか
それで風景がずいぶん変わったのだとわかりました
 
二階の家族風呂は半露天で
もとの竹壁などを残していて
よかった
 
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陶芸家の黒田さんの作品
以前の玉峰館は、お料理がすべて彼の作品にのっていました
まだ無名のころです
白磁ばかりの作品、これがわたしたちは好きだった
 
お茶碗、杯、朝のオムレツのプレートなどぜんぶ
そのうち、かけて金継ぎになっていたり、ほかの器も混ざっていましたが
 
案内の人に話したら、白いのは一つだけあるということで
これだけ飾られていました
 
これと同じかんじのが、数年前、森美術館のショップで売られていたと思います
 
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昔の蔵がバーになっています
ここも変わらず
 
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玄関の花瓶
これより大きいのをほとんど買いそうになりましたが
(15年くらい前の話)
車で旅行していて割れるかと思いやめました、残念
 
設備はあたらしくてとっても良くなったのです
前の旅館の最後のころはせんべい布団で朝背中が痛かったり
それからわたしが病気して
いつだったかネットで調べたら休業中だったっけ
 
旅館てむつかしいのでしょうね
個性的なお宿ではなくなってしまったのがさびしい
なにしろ裏に道も通っているプール(露天風呂)もあった
そこで夜子供と泳いだりしました
 
さて二日目はどうしようか
記憶に残っていた上原美術館というのを探していきました
 
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下田までいって、それから北上します
蓮台寺温泉のほう
 
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お庭に彫刻もあり
 
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観覧したあとは、奥のラウンジでゆったりして
コーヒーも無料でいただけます
山々が美しい
あまり紅葉はないそうですが
春の桜がたくさんあるそう
 
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同時に仏教美術館もあり
こちらはいきませんでしたが
お庭にお地蔵様の大群が・・・
これは一部、こんなにおいでになるとちょっとコワイかも
 
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帰りは松崎をまわって
 
美術館からの途中、地元の物産を売っている市場のようなところで
お赤飯としょうがの煮つけを買い、堤防の上でピクニックしました
釣り人がちらほらいます
 
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左がしょうがの煮つけ
薄切りのショウガに、昆布、カツオブシ、シイタケが入って甘辛
これおいしい!
青空の下、気持ち良い
 
ところが、堤防に上ったのは良いが
降りるのに階段がどこにもない・・・
困っていたら、孫を連れたお爺さんが
子供のために張ったロープにつかまっておりなさいと
かわいいお嬢ちゃんが下りてお手本を示してくれました
(写真がないのが残念)
そしたらとってもカンタン!
のぼったけど降りれないよ・・・まるで子供です
 
伊豆は良いけど、下田は遠い
これがいつもの感想
 
さて
上原美術館の絵について
 
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こんなちらしを見て、行けたらなと思っていました
そう、これは終わっていました
 
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内容は、こんな風、マチスやモネ、セザンヌなど
 
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今回は日本の画家たち
これは岡鹿之助(わたしは好きです)
林 
奥に家が見えます
 
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香月泰男 という人の「柿」
小さい作品ですが、塗り方に特徴があり面白い
右はカードで、合歓木花
光ってしまいましたが黒です
ちょっとロツコに花を添えたよう(カードの感じでは)
 
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  これがわたしの偏愛するボナールの作品
カードがあったので買いました
しつこい人です(笑)
 
大正製薬の社長であった上原さんと言う方のコレクションだそうです
展示はもちろん他の個人蔵のものも
部屋が3室しかなく小さいのですが
ステキな作品が並んでいました
 
なかなか行ける機会がないので
旅の途中、立ち寄るのは良いですね
 
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(わたしの本です。読むとぐちゃぐちゃにするわるい癖が・・・)
 
夏休みに新宿紀伊国屋書店にいきました
さいきんはネットで本を購入することが多いのですが
書店に行くのはやはり楽しみのひとつ
 
フランス語のコーナーに
Fukushima という本をみつけました
防護服を身ににまとった人々が歩いている写真が表紙
 
著者は ミカエル・フェリエ氏
NHKテレビのフランス語講師も以前なさっていましたね
詩の朗読コーナーがあったのが印象的でした
中央大学の教授
 
ガリマール社の文庫 foilio で
東日本大地震、原発事故、津波被害についての著作を出版
これを読んでみました
 
本人と思われる日本に滞在するフランス人が je (わたし)として
ルポ風に語りますが、基本的には小説、フィクションであるとうたっています
 
この本は3部にわかれていて
「扇の要」 
地震当日の様子の東京(これは分析的に書かれていて
経験をしている日本人にはまだるっこく感じられるかも)
友人の地震学者に現状をたずねる、外国人は日本を去っていく
(フランスは飛行機をチャターして、帰国希望者を迎えにきましたね)
「わたし」はフランスには帰国せず、京都に、そして帰京
 
「水から救出された人々の物語」
小型トラックに援助物資を積んで被災地を訪れることを決意
人々はガイジンが日本語をはなせるとわかると
みな堰をきったように自らの体験を語る・・・
なんら intimité (日本語でいうプライバシー)のない避難所(refuge)
それでも みずからの個を守ろうといきている男性
津波にあった写真を再生しようと努力する女性
誇りを失わず生きていく人々の様子
 
芭蕉の「奥の細道」ではこの地方を訪れています
芭蕉だったらどんな風にとらえたのか?
被害の少なかった松島周辺の様子
小さな島々がツナミの影響を弱めたということです
Les quelques deux cent soixante petites îles couvertes de pins qui font la
réputation du site ont protégé lal baie. (p167)
それに反して、ばらばらになった津波防波堤・・・
Près de la mer, le mur anti tsunami est en morceaux.  (p175)
もちろん、リクゼンタカタ、イシノマキの壊滅的な状況
をまわっています
 
そして放射能の影響・・・
 
「demie-vie」(ハーフ・ライフ  英語で訳されているよう)
放射能のため、「半分の生活」を余儀なくされた人々
(ここでは事故直後ですので、東京も含まれています)
また、demie-vie とは、もともと放射性物質の 半減期を意味します
なんということでしょう!
 
福島の現場で働いていたという人物にもインタビューします
当日の様子・・・
非難の命令が組織だったいなかったこと
それは私たちもよく知るところですが
improvisation totale   まったくの間に合わせ
 
ここにも書いた、使用済み燃料プールが最上階にあること
この危険性のため、アメリカの避難命令は80キロになったこと
言及されていますが
知っている人は知っていることです
 
 
以下はフェリエ氏のインタビューのサイトです
 
 
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大変残念なことに、この状況はあまり変わっていない
毎日汚染水の問題が報道されています
現場の人も大変なのでしょう
放射能は高いし、どんどん増える汚染水をどこかに閉じ込めないといけない・・
それにしても、です その場しのぎ、はいつまで続くのでしょう
 
 
 
東北地方の自然の描写、平家物語、芭蕉 村上春樹・・・
ボードレールやランボーの引用がちりばめられています
 
p211
Dans la grande maison de vitres encore ruisselante les enfants en deul regardèrent
les merveilleuses images.
 
まだ窓ガラスが水で光っている大きな家の中で、喪に服した(悲嘆にくれた)子供たち
が素晴らしい絵をみている。
 
(これは写真を乾かしている女性の描写のところで)
ランボーには「大洪水のあと」という散文詩があります(詩集イリュミナシオン)
わたしも大好きな詩です。ここでの大洪水は、ノアの洪水を
暗示しているといわれています
 
 
最後に気になるのは「コリウム」の話
これはメルトダウンした炉心が周辺の物質も溶かして
どんどん地中に潜りこみ、地下水などに触れると水蒸気爆発を起こす
全然これに触れられていない、とありますが、
言葉はともかく、この危険性についてテレビで指摘していた専門家もいます
またネットをみますと解説などでてはいます
ただ、あることについての「言葉」がないと、誰もそれについて語ることはできない、
それはたしかなことです(原爆投下後の広島地方の新聞には2年ほど
原爆、被ばくという活字さえなかったそうです)
 
炉心がどうなっているのかは誰にもわかりません
 
原子力にたいしての世界中に存在する不透明さを憤り
最後に大江健三郎の「広島ノート」に言及されています
この作品も彼にならって、その場のメモでもあり
また同時に集めたものに謎めいた一貫性をもたせたもの
読む者にひらかれており、人が何かに役立てることができる
(日本語訳のタイトルが「福島ノート」になっているのはこのためでしょう)
 
非常に魅力的な描写も多くあり、引用しようと思っていたのですが
これでもすでに長いですね
 
ネットでは9月に訳がでるということでしたが
7月末に出版されていたようです
遅きに失しましたがここでご紹介しました
書店で日本語なり、フランス語なり手に取ってみてみるのをお薦めします
 
 
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