
まずは、散文詩集、「パリの憂鬱」のなかの、とても有名な
L'Étranger
以前に対訳集を上梓したことがありますが、その中のものとはちがって、時代を現代と想定して、くだけた調子にしてみました。
解説、を先につけるのはご法度?かも知れませんが、おそらく
身なりも他の人々とは違う変わった人間。たとえば、現代風に言えばパンクなのか、その辺は何も書いてありませんが、想像してみて下さい。
この妙な若い男と、居合わせた、年長者と思われる男性との会話、のかたちをとっています。
異邦人
ーねえ、きみが一番好きなものは何?親とか兄弟かな?
ーぼくには、父親も母親も、きょうだいも、いやしない。
ーそれじゃあ、友達?
ーあんたの言う、その言葉は、今日までぼくにはその意味さえわからない。
ーきみの国?
ーぼくの国なんて、一体この地上のどこにあるのか、知らないさ。
ーじゃあ、美女はどうだい?
ー女神さまのようで、死んだりしないで、永遠に美しければね、好きにもなる かもしれないが。
ー黄金かい?
ーきらいだよ、そんなもの!あんたが神様を憎んでいるのとおんなじくらいにね。
ーおい、いったい何が好きなんだ? 妙な男だな。
ー雲さ! 雲だよ。
あそこを、流れていく・・・ほら、あのすばらしい雲が。
*ボードレールは19世紀の詩人。フランスでは今もよく読まれ、教科書などにも出てきます。19世紀といえば、日本では江戸末期です。
原文はまたあとでつけますね。
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