
9月8日。 気温が下がった。昨晩は11時ごろ帰り、シャワーを浴びて(風呂はない)いそいで布団にもぐりこむ。持参した ホッカイロを背中のあたりにおいておく。これでけっこう暖かい。
スチュディオはセントラルヒーテイングではないので、小さいヒーターを入れられる。2度ほど入れた。日本にも売られているような、オイルヒーターのようなもの(ラジエーターが一続きになったような形の)。つけてみると威力が違う。すぐに暖かくなる。これは電圧の差か。フランスは220V。
すこし風邪気味なので持参した薬を飲んでおく。
さてPompidou. フランス国立現代美術館があり、マチス、ピカソなどからまったくの現代まで展示されている。ここは好きで良く行っているのだが、ここのところ、ろくな展示はなかった。
というのも、このブログでもご紹介したが、東部の都市、Metzメッツ(メス)に分館を建設中で、パリの展示は2部屋くらいにピカソなどが押し込められていた。他は超現代。
現在進行形、わたしたちが生きている時代の作品は
l'art contemporain ラー・コントンポラン という。
絵画、彫刻などといった概念を超えて、インスタレーションとかビデオ作品などが多い。それらは面白いこともあるが、なにか寒々としたものを覚えることもある。たとえば小さな部屋を延々とペンキで塗っている様子を上からビデオで撮影。黄色に塗る、おわると赤に、それからブルーに・・・といった具合。面白くもあるが、「徒労」、これがわたしたちの人生か?とも思わせる。
また前置きが長くなった。メッツの分館が完成したので、かなりの作品がそちらに行っているはず。でも、パリの本館も新しい展示になっているはずだ。
マチスが特に好き。上のバイオリン弾きの絵は、以前はそうとも思わなかったが、今回見ると、体、袖などの立体感がすごく、とくに上着の裾の切れ込みのところがほかとの差異を強調している。色もすばらしい。マチスの作品はどれもそうだが。
マチスの絵は、「くしゃくしゃと塗ったように」見えるものが多い。上の写真でも、筆のタッチが想像できると思う。(ポンピドーもフラッシュなしなら撮影可なのがうれしい)絵の具のドリップ=流れたあと、うす塗りの感じ、こういう風に描けたらなー。以前買った本では、この絵もさまざまなヴァージョンを経て、完成形に至ったのがわかる。それぞれの写真が載っている。わたしは、どうやって前の絵のあとも残さず描きなおせるのか??と思ったが、カルチャーの友人によれば、それぞれ「さらキャン」(まっさらのキャンバス)で描きなおすのだという・・・。そうなんだ。
有名な「ルーマニアのブラウスの女性」の絵など、写実的なデッサンから、簡潔なかたちへと移っていく様子がわかる。マチスは何枚かの作品を写真に撮らせて創作の過程を残している。

こんな風な展示。

有名な作品。これも床はこちら側にむかって倒れてくるようではあるが、遠近法がまったくないわけではない。女性も腕がこちらに伸びて、たしかにそこに座っている。手脚のボリューム感もある。伝統的絵画とは違った遠近法、奥行きがせばまっていたりするということだ。(カルチャーの収穫はこのくらい。自分で描くのはうまくはなりませんねー><)


ピカソ(左)とドローネー

フランスの建築家、ル・コルビュジエのマケット(模型)
ああ、安藤氏はル・コルビュジエに影響をうけているんだな、と思う。
新しい展示は、大きい作品が少なく、部屋も小さめになっていた。また時代別になっており、マチスは以前は一部屋でまとめて見られたのが、あちこちばらばらで、下手をすると見逃しそう・・・。
ジャコメッティの部屋ができていたのはうれしかった。

すこし見づらいが、油絵とブロンズ像。

箱の中の女性像。
右は「脚」上の彫像は石膏のままである。

まえの記事の Dubuffet のユーモラスな絵。(部分)

大、大すきなボナール。戸外も多いが、浴室の絵が多い。妻をモデルとしている。


ニコラ・ド・スタール。この画家についてもすでに記事で触れたことがある。
厚塗り。
とても全部は載せきれない。時間にもなったので、出る。(階下の現代もざっと見た。ヨーコ・オノのビデオ作品もあり)

お腹が空いたので、横のクレープ屋さんで、クレープを食べる。子供みたい。
少し雨模様。クレープはあったかい。
このあと、ソフィーの知り合いのアメリカ人のテキスタイルのexpo を見にいくことになっていた。すぐ近くで歩いていくが、さすが方向音痴・・・どうも見つからず、通りを行ったり来たり。番地をちゃんと控えておかないから・・・。ここも入り口のドアからはギャラリーは見えず、中にずっと入ると倉庫を改造したと思われるしゃれた建物があった。
ここは撮影禁止だった。急いでいたので外観も撮っていない。
作品は太いきれいな色のロープを組み合わせた巨大なものと、15x20センチ四方くらいの織物で表現した「絵画」のような作品が額に入ったもの、数十点であった。ちいさな織物は美しかった。しかし写真がないので、説明しても無理だ。
それからソフィーに On va prendre un verre ? ちょっと飲む?
それとも Tu viens à la maison ? うちに来る?
と聞かれ、のこのこ家についていったが、長男のポール君がひどい風邪をひいて咳き込んでいたので、次の日飛行機に乗るのに、移ったら大変、とその場で失礼した。
まったく失礼な話だが、ソフィーはわかってくれただろう。遠足に行くと、先生が、「家に帰るまでが遠足です」などと言うが、やっぱり日本に元気で帰らないと。言い訳しておく。
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